iPhoneを個人情報を抜かれたりする心配なく安全に売却もしくは譲渡するために、事前にやっておくべきことをまとめてみます。なお、iPhoneのデータのバックアップは、既にとってあるものとします。「初期化しただけで本当に大丈夫？、簡単に情報を復元されてしまって個人情報を抜かれたりしない？」といった心配があるかもしれませんが、心配無用であることについても記します。
iPhoneを売却もしくは譲渡する前に行うべき作業は以下の流れとなります。なおSIMカードはまだ挿さったままでOK。
(1)「iPhoneを探す」(アクティベーションロック)をOFFにする。
設定→iCloud→「iPhoneを探す」を開き、「iPhoneを探す」をオフにする。この際、AppleIDのパスワードを聞かれる。
(2)iCloudからサインアウトする。
設定→iCloudを開き、サインアウトする。「データを残しますか、消しますか？」と聞かれたら、すべて「残す」とする。iPhoneに保存されているデータは後でまとめて削除するので、ここでは「残す」でOK。
(3)iTunes&App Storeからもサインアウトする。
設定→iTunes&App Storeを開き、AppleIDをタップすると、「サインアウト」が表示されるので、サインアウトする。
(4)初期化する。
設定→一般→リセットを開き、「すべての設定をリセット」で行う。
初期化完了後、iPhoneは自動的に再起動される。
(5)アクティベートする。
買取専門店・中古店などに売却する場合、初期化したままで持ち込むと、IMEIやアクティベーションロックのON/OFF状態を店頭で即座に確認できない等なにかと不都合、というか買い取ってもらえないので、初期化後もう一度アクティベートを行う。ただし、AppleID、パスコード、TouchID(指紋登録)の入力画面が出てきたら入力・登録せず、すべてスキップすること。
(6)ネットワーク設定を初期化する。
アクティベート完了後ホーム画面が出てきたら、ネットワーク設定を初期化する。アクティベート時に接続したWi-Fi設定や、アクティベート時に挿さっていたSIMカードの電話番号がiPhoneに残ってしまうためである。設定→一般→リセットの「ネットワーク設定をリセット」から行う。ネットワーク設定初期化後、iPhoneは自動的に再起動される。
(7)iPhoneを電源OFFにする。
再起動後ホーム画面が出てきたら、電源オフにする。
(8)SIMカードを抜く。
上記手順で初期化しただけで本当に大丈夫？、ストレージの中身を復元されて、個人情報を抜かれたりしない？、といった心配があるかもしれませんが、これについては、心配不要です。
iOSデバイス(iPhone, iPad, iPod Touchなど)のストレージはデフォルトで暗号化されています。初期化する際に暗号化キー自体が削除されてしまうため、仮にストレージの中身を覗けたとしてもでたらめなデータの並びしか見ることができず、中身を復元することはできません。iPhone 3GSやiPod Touch(第3世代)といった相当古い機種から暗号化が行われています。iOS 10.3以降ではファイルシステムがHFS+からAPFS(Apple File System)に変更され、ストレージの暗号化がさらに強化されています。(参考: Encrypt your iPhone, iOSのセキュリティ, Forensic Analysis of Smartphone Factory Reset Function)