エアアジアQZ8501便事故と危機管理

エアアジア・インドネシアが運航するQZ8501便が2014年12月28日に消息を絶ち、12月30日にQZ8501便のものと思われる機体の残骸および遺体が発見され、収容された。

今回の事故に接して、最初に犠牲者の冥福を祈りたい。

この事故に対するエアアジアの対応(危機管理)がしっかりしている印象を受けたので、なぜなのかを考えてみた。航空機事故があると「その会社の飛行機には乗りたくない」の印象を抱くはずが、今回のエアアジアについてはそういう印象を受けなかったどころか、なぜかエアアジアが危機を乗り越えることを応援したい気持ちになった。

(1)Webサイトの変更
消息を絶った時点からWebサイトやTwitterにあるエアアジアのロゴマークが赤からダークグレーに変更され、「QZ8501便に関する最新情報」のリンクがトップページの目立つところに掲載され、かつキャンペーン(バナー広告)が撤去されている。

airasia-qz8501-web

(2)エアアジアグループCEOのメッセージ
消息を絶った時点からエアアジアグループCEOトニー・フェルナンデスは一貫して搭乗者・乗務員の家族の心情に寄り添うメッセージを発し続けている。消息を絶った時点では「発見されることを願いつつ、家族の心情に寄り添う」、遺体収容後は「悲しみに打ちひしがれつつ、家族の心情に寄り添う」のメッセージである。

過去の他航空会社の事故時の対応と比べた場合、今回のエアアジアの対応で決定的に効いているのは、ロゴマークを赤からダークグレーに変更したことではないかと思う。単にそれだけのことで、と言えなくもないが、このことで今回の事故に対するエアアジアの真摯な態度を印象付けたのではないかと思う。

(2)については過去の他社事故の場合も変わらないものの、トニー・フェルナンデスが発したことでより明確に伝わったのではないかと思う。(トニー・フェルナンデスに対する個人的な思い入れが効いた可能性はおおいにある。)

エアアジアを使ったことは一度もないものの、各種指標から安全な航空会社に分類されると思っていたし、エアアジアには今回の危機を乗り越えてほしいと願っている。

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