2015年4月25日(土)に開催されたIIJmioミーティング東京に参加したので、気になったところを中心にレポート。(IPv4用とIPv6用PPPoEアカウントの同時接続について誤記があり訂正しました。)
発表資料は以下にある。他の方がまとめられたレポートへのリンクもここにある。
http://techlog.iij.ad.jp/archives/1501
[IIJmio updates 2015/01-2015/04]
・サポートセンターが混雑している件
「電話がつながらない」、「メールの返事がこない」件についてはIIJ側でも認識しており、改善に向けて動いているとの由。ただし、サポートセンターの増強には、スタッフの教育が必要なことから、増強までにはしばらく時間がかかるとのこと。
・高速モバイル/Dの通信速度低下が著しい件
従来は平日の昼休み時間帯のみ速度低下が著しかったのが、それ以外の時間帯まで速度低下している件については、けっして良しとはしておらず、回線状況を行うとのこと。5月下旬に大規模な増強を予定しているとのこと。
・KDDIのau LTE網とL2接続した件
法人向けにau LTE網のMVNOサービス(IIJモバイルサービス/タイプK)を開始したとの由。個人向けサービスは予定していないとの由。フリートークでもau LTE網を使ったMVNOの個人向けサービスについて質問があった。法人向けなら回線冗長化といったメリットを訴求できるものの、個人向けではユーザーに訴求できる何かが見えてこないとのこと。
後半のフリートークでも話があり、高速モバイル/DのIIJとNTTドコモとの相互接続場所(POI)と、モバイルサービス/タイプKのIIJとauとの相互接続場所(POI)とは、まったく別の場所になっているとのこと。1箇所の設備がダウンしたら、高速モバイル/Dとモバイルサービス/タイプKの両方がダウンするようなことがないようにしていきたいとの由。
小職自身、モバイル回線冗長化のためにIIJmioとOCNモバイルoneを併用しているクチなので、モバイルサービス/タイプKの個人向けサービス(高速モバイル/K)については、非常に期待している。ただ、au LTE網のMVNOを使おうとしても、対応している端末の種類、特にモバイルルーターの種類が少ないという問題があり、どうにかならないかと思っているところ。
なお話が脱線するが、法人向けサービスの話の中で、IIJが扱っているデュアルSIMのモバイルルーターについて、法人向けしか扱っていないとのことだったが、AmazonのIIJストアでも取り扱っており、個人でも買うこと自体はできるのではと思う。
もっとも、docomo/au/SoftBankのLTE網に対応したデュアルSIMのモバイルルーターMR04LNが登場しそうであり、買うならそちらを待った方がいいと思うが。
[みおふぉん教室]
みおふぉんに乗り換えた際にキャリアメールをどうするかという話。電話番号はMNPで引き継ぎできるものの、キャリアメールは引き継ぎできないので、新しいメールアドレスを取得する必要がある。どのメールを使うかについては、プッシュ通知に対応し、スマホでの利用も考慮されたメールサービスとして、GmailやYahoo! Japanメールがあるとのこと。なおIIJmioで提供しているIIJmioセーフティメールについては、「お薦めしません」との由。パソコン用として作られたサービスであり、スマホで使うのには向いていないからとの由。自社のサービスでもダメなものはダメと言い切る姿勢は非常に好感。
メールアドレス変更時のポイントは、「MNPする前に新しいメールアドレスを取得して、古いメールアドレスから新しいメールアドレスを通知すること、通知の際に新しいメールアドレスを受信許可してもらうこと」との由。
[iPhoneのVoLTEをIIJmioで使ってみる&みおふぉんダイアルの話]
みおふぉんダイアルで発信した場合、VoLTEで発信した場合に、モバイルネットワーク上をデータがどのように流れていくかの説明がためになった。
ちなみに、セッションの中の「NTTドコモのVoLTEはIPv6で行われている」で使われていたアプリはIIJ謹製の「Client Kit」アプリ。説明にはIIJ GIO用と書かれているが、ネットワーク関連のコマンド(ifconfig,netstat,ping,traceroute,nslookup)が実行できるようになっており、IIJ GIOのみならず汎用的に使えそう。
https://itunes.apple.com/jp/app/client-kit/id598125524?mt=8
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.ad.iij.clientkit&hl=ja
[MVNOとSIMフリー端末の問題について]
「なんか繋がらない」「繋がるけど不安定」といった現象について、3GやLTEの接続シーケンスまで追って原因を調査するというセッション。3GやLTEの制御メッセージ、接続シーケンスを非常にわかりやすく説明しており、とてもためになった。専門用語で一部わからないものがあったものの、それでも十分に楽しめる内容だった。
[フリートーク]
多くの質疑応答があった中で気になったのが以下の内容
・「FiberAccess系サービスがWeb上でわかりにくい場所に置かれている」との指摘
mioひかりを契約しようとする人が誤ってFiberAccessを契約してしまわないように、離れた場所に置いているとのこと。FiberAccessを契約しようとするユーザーなら、隠れた場所に置いても見つけてくれるだろうとも。ちなみに、FiberAccess系のサービスをやめる予定はありませんとのこと。
小職自身もFiberAccessについては検討しているところなので、やめる予定なしの説明にはひと安心。mioひかりがあるのにFiberAccessを検討する理由は、mioひかりで払い出されるIPv4用PPPoEアカウントとIPv6用PPPoEアカウントの同時利用ができないことに最近気づいたため。[訂正有]mioひかりで払い出されるIPv4用PPPoEアカウントとIPv6用PPPoEアカウントは同時利用可能。IIJmioのFAQ「mioひかりでは複数同時接続は可能ですか」の意味は、同じPPPoEアカウントで複数の場所から同時接続するのは不可能という意味であり、同じ場所からIPv4用PPPoEアカウントとIPv6用PPPoEアカウントで同時接続することは可能。失礼しました。
[展示コーナー]
別室に展示コーナーがあり見学。
ワンタイムパスワードアプリのIIJ SmartKey。Googleの二段階認証用ワンタイムパスワードもこれに移行できるとのこと。金融機関などのワンタイムパスワードもいずれは現行の専用トークンから、こうしたスマホアプリに移行するのではと思うし、金融機関のオフィシャルアプリに選定されたらと思う。金融機関のオフィシャルアプリにさすがにGoogle Authenticatorはないだろうと思うので。金融機関の二段階認証用にNTTデータ製のアプリを使ったことがあるが、使い勝手が妙によくなく、見た目のデザインがどことなく怪しくて、不安を感じたことがあるので、そうしたことがないようなアプリに成長してくれたらと思う。
Japan Travel SIM。販路が空港、家電量販店、ANA国際線機内、と広がりつつあるので、もっと販路が広がるとともに、「SIMカードを買ってきて自分で端末に挿入する」ことが当たり前な世の中になってほしいと思う。自分的には当たり前でも、世の中一般的には、まだまだ当たり前ではないので。
IIJのエンジニア魂、各種問題に対する誠実かつ真摯な態度を目の当たりにし、固定回線もモバイル回線もIIJにしておけば安心、と実感した一日だった。