IIJmioミーティング(2015/01/24)レポート

2015年1月24日(土)に東京飯田橋のIIJ東京本社で開催されたIIJmioミーティング(第6回目)に参加したので、学んだこと、気になったことなどをまとめてみる。

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発表資料は以下のURIで公開されている。

http://techlog.iij.ad.jp/archives/1367

以下では、各発表毎に学んだこと、気になったことのみを記す。(発表されたすべての内容を網羅しているわけではない。)なお、以下の文章では、発表資料の文言を一部引用させていただいている。

[IIJmio updates 2014/11~2015/01]
(1)iOS版みおぽん、バージョンアップでAPN構成プロファイルインストール機能が追加された。海外渡航時には現地SIMを使うためにIIJmio用APN構成プロファイルを削除する必要があるが、帰国時にIIJmio用APN構成プロファイルを戻そうとすると、Wi-Fi接続する必要があったが、この機能追加で、オフライン状態でもIIJmio用APN構成プロファイルを戻すことが可能になった。自分自身もこの機能追加の恩恵を既に受けている。こういうかゆいところに手が届く機能追加は、とにかく絶賛したい。

(2)みおぽん、バージョンアップでプレゼンテーションモードが追加された。プレゼンテーションモードとは、みおぽん画面の電話番号等の「見せてはいけない部分」にぼかしを入れる機能。「スクリーンショットのSNSアップロード用に開発」「クーポン残量を見せびらかしたい時に最適!」の発表を見て、笑ってしまった。電車内等公共の場所でクーポン残量を確認する際に横から覗かれても大丈夫なように開発したものとばかり思っていたので。プレゼンテーションモードというネーミングも絶妙。真面目そうなネーミングと不真面目な用途とのアンバランスさがいい。

(3)2015年1月13日(月)未明の通信設備状況に伴うサービス停止。今回は設備入替を伴う大規模な作業だったため、サービス停止したとのこと。今後当面の増強は、サービス停止なしで行える予定とのこと。後半の「IIJmioの通信品質について」の発表によれば、ドコモ~IIJ間の接続帯域増強は、これまでもサービス停止せずに行っており、2014年は毎月1回以上行ったとのこと。

[みおふぉん教室:SIMフリースマホの選び方]
(1)スマホの選び方として、コンピュータとしてのスペック(CPU性能、メモリ(RAM、主記憶))の読み方と、電波の種類(方式・周波数)についての説明があった。ドコモで使っている電波の種類、LTEエリアの展開方針など興味深い内容が続いたが、一番気になったのが「高尾山近辺で、FOMA(W-CDMA)は圏外なのに、Xi(LTE)は圏内になっているエリアがある」との発表。

以下はFOMAのエリアマップ。赤枠内に注目。FOMA(W-CDMA)では圏外なのに・・・
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Xi(LTE)では圏内になっている。
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(上記FOMA, 及びXiエリアマップの出典: http://servicearea.nttdocomo.co.jp/  地図データ(c)2015 Google, ZENRIN)

VoLTE非対応LTE端末ではパケット通信だけ使えて音声通話不可?、フィーチャーフォンは完全圏外?になるのか興味津々。この発表に触発されてエリアマップを調べたところ、高尾山近辺以外にも同様のエリアが見つかったので、実地調査する予定。

(2)2015年5月からSIMロック解除は義務化されるものの、携帯電話会社(MNO)が発売する端末は、自社の電波向けにチューニングされており、SIMロック解除して他社の電波で使おうとしても、対応周波数が適切でないこともあり、その場合、使えるエリア、速度が制限されることがある。この件についてはフリートークでも話があり、「ドコモが発売している端末で見られるテザリング用APNロック、さらにSIM側が接続できる端末を限定してしまうロック等により、SIMロック解除義務化が骨抜きにされてしまうのでは?」と問題提起された。

[加速するMVNO政策]
総務省・総合通信基盤局・事業政策課・企画官 富岡氏より発表があった。総務省の新たなMVNO政策は以下の3つにまとめられる。

・SIM解除の促進
・MVNOネットワーク開放の更なる促進
・訪日外国人の国内発行SIMへの差替え円滑化

(1)MVNO契約数は成長している。ただしMVNO契約数を見るときは注意が必要。UQ WiMAX2+およびWireless City PlanningのAXGPで使っているTDD LTEバンドであるBand41対応のiPhone6(Plus含)が発売されたことにより、KDDI版およびソフトバンク版iPhone6(Plus含)の契約数もMVNOの契約数としてカウントされるようになったため。KDDIはUQのMVNOとしてWiMAX2+の回線を、ソフトバンクはWireless City PlanningのMVNOとして、AXGPの回線を使っているため。MVNO契約数のうち、半数以上は上記のような「MNOであるMVNO」で占められている。

(2)携帯電話のデータ接続料(レイヤ2)は、この5年間でおよそ1/10に下がった。ドコモの場合、2008年度には1200万円超/10Mbps・月だったのが、2013年度には123万円/10Mbps・月まで下がっている。ちなみに同じ年度のKDDIの接続料は275万円でドコモの2倍、ソフトバンクは352万円とドコモの3倍になっている。

(3)MVNOネットワーク開放の更なる促進へ向けた今後の取り組みのひとつに「MVNOへのHLR/HSS開放」がある。HLR/HSSとは、携帯電話番号、端末の所在地、顧客の契約状況をいった顧客情報を管理するデータベースをさす。(HLRはHome Location Registerの略、HSSとはHome Subscriber Serverの略)MVNOが独自にHLR/HSSを運用することで、以下のようなサービスが可能になる。

・複数のMNOネットワークに対応したSIMなど、災害時にも対応した冗長性の高いMVNOサービス実現への道が開かれる。

・MVNOが総務省から携帯電話番号を直接割り当てを受けることが可能になったうえで、MVNOが独自の音声通話サービスを展開することが可能になる。例えば、家族割、定額料金制など。

・顧客管理システムとSIMカード発行機能をMVNOが独自に管理できるようになるので、MVNOが独自にSIMカードを発行したり、SIMカードからAPNを自動設定する等の実現が可能になる。

「MVNOへのHLR/HSS開放」は是非とも実現させてほしいと思う。IIJが自前でSIMカードを発行することができるようになるし、IIJmioでデータ通信の国際ローミング対応SIMなどが実現するかもしれない。特にデータ通信の国際ローミングについては、国内・国外に強大なバックボーンを有するIIJであれば、画期的な料金プランを実現できる可能性があると思う。個人的には「200Kbpsのデータ通信が世界中で使い放題で、月額1000円(3日間で366MBを超えたら速度制限、みたい規制はあっていい)」みたいなSIMが欲しい。

「MVNOへのHLR/HSS開放」が実現すると、モバイル市場はさらに拡大するものの、一方で携帯電話番号枯渇に向けて拍車がかかってしまい、携帯電話番号12桁化実施が早まるのではとも思う。

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[IIJmioの通信品質について]
(1)通信品質がよいとは、スピードテストで良い結果が出る、ことだけではないし、それだけに限らない。通信サービスの品質は以下の2通りに分類される。

・可用性(サービスが使えるか?、障害発生時に迅速に復旧可能か?)
・通信品質(通信速度、遅延、パケットロス)

(2)可用性維持のため、IIJではMNO(NTTドコモ)~IIJ間の相互接続を冗長化し、IIJ~インターネット間の相互接続については、主要なISP、コンテンツプロバイダーと広帯域で相互接続し、冗長化している。さらにモバイル設備(PGW,GGSN,PCRF,OCS)も冗長化している。

[フリートーク]
(1)IIJがMVNEとなっているMVNOについて「そうしたMVNOもIIJmioと同じ通信品質ですか?」との質問があり、「IIJはそれらMVNOに通信回線を卸す立場にあり、サービス設計は各MVNO独自なので、違ってくる可能性はあります。ただし、BIC SIM、ELSONIC SIM、イオンSIMはIIJからSIMカードを卸しているに過ぎず、お客様の契約先はあくまでもIIJであり、通信品質はIIJmioと変わりません」との回答があった。また、「IIJがMVNEとなっているMVNOがどこであるかをIIJから発表することはしていません」とのこと。ここからは自分自身の考えだが、「DMM mobileはIIJmioの回線を使っているから、IIJmioと同じ通信品質になる」とは限らないし、「DMM mobileはIIJmioの回線がIIJmioよりも安く使えるからお得」という考え方は間違いだと思う。(DMM mobileの通信品質がIIJmioと比べて劣るという意味ではなく、IIJmioと同じ通信品質であるとは限らないものを値段だけで比較するのがおかしいという意味。)IIJはMVNEとして各MVNOに通信回線を卸す際、帯域で卸しているはずであり、各MVNOが調達した通信回線にどういうサービス設計をするかで、実際の通信品質はIIJmio本家より良くなるかもしれないし、悪くなるかもしれないと思う。

(2)「国際ローミング(でのデータ通信)に対応したSIMは提供できませんか?」の質問があり、「国際ローミングに対応することは可能なものの、IIJが外国のオペレータと直接契約することができずにすべてドコモ経由になってしまい、魅力的なプランを提供できないので、提供していません」旨回答があった。これについては「MVNOへのHLR/HSS開放」次第だと思う。Apple-SIMに関する質問もあったが、これについても同様と思う。

(3)「FCC等外国で認証を受けているものの、技適の認証を受けていない端末(技適未取得の端末))が外国から持ち込まれた場合の、日本国内での法的な扱い」について質問があり、電波法を改正して、日本国内で法的に使用できるようにする方向で対応する予定である旨回答があった。ただし、具体的にどのような端末をよしとするかは未定とのこと。また、日本へ渡航する外国人が持ち込む端末に限定するのか、あるいは日本人が持ち込む端末も含めるのか、といった話は特に出なかった、と認識している。一連の質疑応答では端末の話しかしておらず、日本人が持ち込む端末も含めて電波法改正で対応する、というふうには聞こえなかったのだが・・・

[ノベルティ]
以下のようなIIJ柄ペットボトル入りの水とチロルチョコ2個をいただいた。チロルチョコのデザインは全部で3種類あるとのこと。自分のはIIJmio柄とSIM柄だった。その場で食べてしまうのがもったいなくて、結局持ち帰り、家で食べながら、このブログ記事をまとめている。その他、ファーウェイのメモ帳もいただいた。

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帰宅する際に見たライトアップ(飯田橋サクラテラス前)がとても綺麗だった。

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